銀行系カードと銀行本体発行
銀行の名前が付くクレジットカードの系統には、銀行系カードと銀行本体発行カードがあります。
このような銀行系カードと銀行本体発行カードという2系統のクレジットカードが存在する理由は、銀行法という法律が関係していました。
このページでは、銀行系カードと銀行本体発行カードの違いや特徴を紹介しています。
銀行によるクレジットカード業務の歴史は古いですが、そのビジネスモデルは法改正や制度変更、他業種のクレジットカード関連会社の動向等により、大きく変化してきたという経緯があります。
銀行系カードとは
銀行系カードとは、銀行本体ではなく銀行のグループ会社が発行するクレジットカードのことを言います。
日本でクレジットカードの発行が始まった1960年代では、銀行は銀行法の規制によってクレジットカードを発行することが出来ませんでした。
そのため、都市銀行等はクレジットカード関連会社(グループ会社・子会社)を設立し、関連会社を取り次いでクレジットカード発行をしていました。
現在では、銀行本体による発行も可能となっていますが、銀行系関連会社による発行がメインであることに変わりはありません。
銀行本体発行とは
銀行本体発行とは、銀行がグループ会社を介さずに、本体で発行するクレジットカードをのことを言います。
与信から債権管理までの全てのクレジットカード業務を自行で行うため、本体発行と呼ばれます。
1982年の銀行法の全面改正され、一定の制約がありつつも銀行本体でもクレジットカードの発行が認められました。
これを皮切りに、地方銀行が本格的にクレジットカードの発行業務を行うようになりました。
本体発行のパイオニアとしては、福岡シティ銀行(現:西日本シティ銀行)が挙げられます。
その後、常陽銀行、駿河銀行(現:スルガ銀行)などの地方銀行も続いて発行することになります。
現在、メガバンクで本体発行を行っているのは、三菱UFJ銀行の1行のみです。
2004年に当時の東京三菱銀行がディーシーカードに業務委託する形で、ICキャッシュカードとVISAクレジットカードおよびEdyが一体した「スーパーICカード『東京三菱-VISA 』」の発行を開始しました。
現在、株式会社三菱東京UFJ銀行が発行するクレジットカードとしては、「三菱東京UFJ-VISA」があります。
三菱東京UFJ-VISA | |||
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初年度年会費 | 年会費 2年目以降 | ||
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還元率 | ブランド | ETC | 家族カード |
0.500% | ○ | ○ | |
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三菱東京UFJ-VISA ゴールド | |||
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初年度年会費 | 年会費 2年目以降 | ||
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還元率 | ブランド | ETC | 家族カード |
0.500% | ○ | ○ | |
海外旅行保険 | 国内旅行保険 | 海外ショッピング保険 | 国内ショッピング保険 |
最高5,000万円 | – | 最高300万円 購入日から90日間 | 最高300万円 購入日から90日間 |
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また、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の子会社である三菱UFJニコスでは、「ニコスカード」、「DCカード」、「UFJカード」という3ブランドを展開しています。
銀行の業務
銀行の業務には、大きく固有業務、付随業務、周辺業務の3つがあります。
固有業務
固有業務とは、銀行の本業であり、預金業務、融資業務、為替業務という3つの業務がこれに該当します。
銀行の固有業務 | ||
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預金業務 | 預金者の預金を管理・保管する業務。 | 当座預金、普通預金、貯蓄預金、定期預金など |
融資業務 | 企業や個人に融資・貸付をする業務。与信業務。 | 【法人向け】 一般融資、制度融資、代理貸付 |
【個人向け】 住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、フリーローン、カードローンなど | ||
為替業務 | 振込による送金や口座間の資金移動、代金支払などの決済を行う業務。 | 内国為替業、外国為替など |
付随業務
付随業務とは、債務の保証、手形引受け、有価証券投資、両替等の業務(銀行法第 10 条第2項)が挙げられます。
さらに、これら固有業務および付随業務の遂行を妨げない限度内で、国債などの引受けや売買を行うことができます。(11条)
また、担保付社債信託法などの法律に基づいて、別途免許を受けた業務を営むことができるとされています(12条)。
銀行が固有業務と一体となって実施することを認められてきたコンサルティング業務や、ビジネスマッチング業務、M&Aに関する業務、事務受託業務等も、固有業務と切り離した付随業務とされています。
現在では、クレジットカード業務も付随業務として認められています。
周辺業務
周辺業務とは、リース、ファクタリング、信用保証等の業務が該当します。かつてはクレジットカード業務も周辺業務とされていました。
銀行は、銀行法の定めのない周辺業務を直接営むことが出来ません。
そのため、子会社などの関連会社を設立することで、間接的に営業を行っています。
かつては、クレジットカード業務も周辺業務でしたが、1982年に施行された銀行法改正により付随業務として認められました。
まとめ
現在、銀行系カード・銀行本体発行カードは、キャッシュカード機能とクレジットカード機能が1枚のカードに集約された一体型カードが主流です。
利用者から見れば、単純にクレジットカード機能をクレジットカード関連会社か、銀行本体どちらが行うかだけの違いに見えるかもしれません。
実際に、クレジットカードの基本的な機能は、どちらも大きな違いはありません。
しかし、地方銀行を中心に、本体発行で一体型カードを発行する動きは着実に高まっています。
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