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クレジットカード番号とは
クレジットカードの表面の中央部分には、必ず14~16桁の固有番号が刻印されています。
このクレジットカード番号は、国際規格のISO/IEC 7812で規定されている磁気ストライプ型IDカード番号の一種です。PAN (Primary Account Number) と呼ばれることもあります。
ただし、国内専用カードの場合はISO規格ではなく、その国の機関によって定められています。日本の場合はJIS規格(日本工業規格)。
ネットショッピングでクレジットカードを利用する際は、有効期限と合わせて、クレジットカード番号の入力が求められます。サイトによっては、セキュリティーコードの入力が必要になる場合があります。
クレジットカード番号は、セキュリティを考える上で非常に重要になるため、理解しておくことをおすすめします。
クレジットカード番号の詳細内容

クレジットカードの番号は、国際ブランドからライセンス供与を受けたカード発行会社により、カード1枚ごとに固有の番号が付与されています。
つまり、発行されたカードは世界で唯一のカード番号が付いたオンリーワンのクレジットカードということになります。
基本的には、カードの解約や盗難・紛失による再発行、上位カードへのグレードアップがない限り、同じカード番号を使い続けることになります。
ちなみに、クレジットカード番号は、電話番号や自動車のナンバープレートのように自分で数字を選ぶことは出来ません。
図解で見るクレジットカード番号
通常、クレジットカード番号は、先頭6桁の「発行者識別番号(IIN)」、真ん中の最大12桁の「会員口座番号」、最後の1桁の「チェックデジット」の三つで構成されています。

上記のクレジットカード番号は16桁ですが、全てのカードが16桁というわけではありません。
カード番号の桁数
クレジットカード番号の桁数は、国際ブランドによって異なります。
VISA、MasterCard、JCBなどは16桁、AMERICAN EXPRESSは15桁、ダイナースクラブは14桁を採用しています。
クレジットカード番号は、国際ブランドとカード発行事業者に最初の一定範囲が割り当てられています。
発行者識別番号
クレジットカード番号の先頭6桁の番号は、カード発行事業者(イシュア、issuer)を特定する発行者識別番号、IIN(Issuer Identification Number)と呼ばれます。
また、銀行識別番号、BIN(Bank Identification Number)と呼ばれることもあります。
発行者識別番号は、各ブランドから直接契約しているカード発行事業者、もしくは、加盟店開放によるライセンスの供与を受けた事業者に対して使用範囲を割り当てられています。
主要産業識別子
カード番号の先頭の1桁目の数字は、主要産業識別子MII(Major Industry Identifier)、もしくは、プレフィックス・接頭語と言います。
ISOとは
ISO(イソ、アイ エス オー)とは、国際標準化機構のこと。国際的な工業規格を策定する民間・非営利団体。
主要産業識別子(MII)は、発行会社の産業分類を示しています。
例えば、主要産業識別子(MII)「3」は『T&E(トラベル&エンターテイメント)』、主要産業識別子(MII)「4」「5」は『銀行と金融』を意味しています。
金融業のVISAであれば「4」、同じく金融業のMasterCardの場合は「5」が割り当てられています。
JCB、AMERICAN EXPRESS、Diners Clubもまた金融業に区分されますが、旅行とエンターテイメント(T&E)関連での利用を重視しているため、「3」が割り当てられています。
このような具合に、先頭の数字で国際ブランドを見分けることが可能です。
ちなみに、主要産業識別子(MII)が表す産業分類・区分は以下の通りです。
- 0 … ISO/TC 68 and other industry assignments(ISO / TC 68およびその他)
- 1 … Airlines(航空)
- 2 … Airlines and other industry assignments(航空会社およびその他の業界)
- 3 … Travel and entertainment(トラベル&エンターテイメント)
- 4 … Banking and financial(銀行と金融)
- 5 … Banking and financial(銀行と金融)
- 6 … Merchandizing and banking(マーチャンダイジングと銀行業)
- 7 … Petroleum(石油)
- 8 … Telecommunications and other industry assignments(電気通信およびその他の業界)
- 9 … National assignment(その他)
主要産業識別子(MII)を把握しておけば、クレジットカード決済にまつわるトラブルを未然に防げる場合もあるため、覚えておくと役立つ場面もあるかもしれません。
下表では、国際ブランド別の桁数、主要産業識別子(MII)、発行者識別番号(IIN)についてまとめています。
桁数 | 主要産業識別子(MII) | 発行者識別番号(IIN) | |
---|---|---|---|
VISA | 16桁 (4桁 4桁 4桁 4桁) | 4 | 4 |
MasterCard | 16桁 (4桁 4桁 4桁 4桁) | 5 | 510000 – 559999 |
JCB | 16桁 (4桁 4桁 4桁 4桁) | 3 | 3528-3589 |
AMERICAN EXPRESS | 15桁 (4桁 6桁 5桁) | 3 | 34, 37 |
DinersClub | 14桁 (4桁 6桁 4桁) | 3 | 300-303574, 3095, 36, 38-39 |
Discover | 16桁 (4桁 4桁 4桁 4桁) | 6 | 60110、60112-60114、601174-601179、601186-601199、644-649、65 |
中国銀聯 | 16桁 (4桁 4桁 4桁 4桁) | 6 | 622126-622925, 624-626, 6282-6288 |
代表的なクレジットカードの発行者識別番号(IIN)は下表の通りです。
三井住友カード | |
---|---|
4980-03 | 三井住友VISAクラシック |
5302-30 | 三井住友 MasterCard GOLD |
JCB | |
3540-08 | JCB |
3540-24 | |
3540-68 | |
3541-01 | |
3541-02 | |
3587-61 | |
3542-58 | JAL JCB |
3540-36 | ANA JCB 一般 |
American Express | |
3761-04 | AMEX |
3761-09 | |
3761-12 | |
3761-18 | |
3761-21 | |
3761-24 | |
3761-26 | |
3761-27 | |
3761-32 | |
DinersClub | |
3691-16 | Diners 一般 |
3695-41 | |
3695-54 | |
3695-70 | |
3695-71 | |
3695-72 | |
3695-74 | |
3695-91 | |
Orico | |
4937-95 | Orico VISA |
5248-05 | Orico-Master FORCEA |
MUFGカード | |
4566-33 | MUFGカード ゴールド |
5296-00 | MUFG-Master |
楽天カード | |
4297-69 | 楽天カード VISA |
5210-12 | 楽天カード Master |
3584-03 | 楽天カード JCB |
このように、先頭6桁の数字で国際ブランドやカード発行事業者(イシュア)を識別することが出来ます。
会員口座番号
先頭7桁以降から最後から2桁目までの部分は、カード会員(カードホルダー)に割り当てられています。
この番号のことを会員口座番号と言います。
会員口座番号は、個人を特定するためにカード会員ごとに割り当てられる固有の数字です。
クレジットカードの場合は、銀行口座を開設するわけではないため、会員口座番号というよりも個人識別番号と言った方が表現として正しいかもしれません。
この番号は、世界に1つしか存在しない数字なので、第三者に知られてしまうとセキュリティ上のリスクが高まります。
クレジットカードの券面には、カード番号だけでなく、会員氏名や有効期限、セキュリティコードなど重要な情報が詰め込まれています。
そのため、取り扱いには十分な注意を払うようにしましょう。
チェックデジット
最後の1桁は、チェックデジット(検査用数字)と呼ばれます。CD、C/Dと表記されることもあります。
チェックデジットとは、会員番号が正しいかどうか数列の誤りを検出したり、カード番号の偽造を防止することを目的に、一定のアルゴリズムに基づいて付加される数値のことを言います。
カード番号の読取後に、クレジットカードの正確性を判別するために、カード番号の全ての桁をLuhnアルゴリズム(ルーン・アルゴリズム)に基づいて計算します。
Luhnアルゴリズムとは
Luhnアルゴリズム(ルーン・アルゴリズム)とは、様々な識別番号の認証に使われているチェックサム方式(誤り検出符号の一つ)のこと。
IBMの科学者 Hans Peter Luhn により、1954年に開発、特許を申請。1960年8月23日に発効。
この時、チェックデジットを再計算しますが、読み込んだチェックデジットと値が合致しなかった場合はエラーとして検出されます。
そのため、カード決済時にカード番号の入力を間違えた場合は、その手続きは停止されます。
このチェックデジットは、クレジットカードだけでなく、キャッシュカードの口座番号やバーコード、運転免許証、住民票コードなど幅広い分野で利用されています。
オンラインショッピング利用時でのカード番号

ネットショップ・ECサイトでクレジットカードを使う場合は、カード番号の入力を求められます。
ほとんどのネットショップ・ECサイトでは、カード番号の入力フォーム欄を〔4桁〕〔4桁〕〔4桁〕〔4桁〕の16桁に設定しています。
クレジットカード番号の入力フォームの一例
クレジットカード番号 (必須)
VISA、MasterCard、JCBの場合
前述の通り、カード番号の桁数は国際ブランドで異なります。
16桁のカード番号を採用している VISA、MasterCard、JCBの場合は、以下のように番号を入力します。
クレジットカード番号 (必須) 0123 4567 8901 2345
16桁のカード番号であれば、文字数がきっちり入力フォームに収まります。
初めてクレジットカードを作る場合は、VISA、MasterCard、JCBのいずれかを選んでおけば、余計な気を回す必要がないので楽かもしれません。
AMERICAN EXPRESSの場合
AMERICAN EXPRESSのカード番号の桁数は15桁です。
15桁のカード番号は、以下のように入力します。
クレジットカード番号 (必須) 0123 4567 8901 234
オンラインショッピングでカード番号を入力する際は、基本的に左詰で入力します。
そのため、AMERICAN EXPRESSの場合は、最後の入力欄に3桁の数字が入ることになります。
DinersClubの場合
DinersClubのカード番号の桁数は14桁です。
14桁のカード番号は、以下のように入力します。
クレジットカード番号 (必須) 0123 4567 8901 23
DinersClubの場合は、最後の入力欄に2桁の数字が入ります。
カード番号の流出・漏えいに注意

カード番号を第三者に知られるということは、セキュリティリスクが高まることを意味します。
実店舗でのカード利用であれば、カード番号を聞かれることはありません。
また、サインの記載や暗証番号の入力を求められることもあるので、悪用されるリスクは低い(ゼロではありません。)と言えます。
しかし、ネット上でのカード利用については十分注意しなければいけません。
なぜなら、不正にカード情報を入手しようと企む、フィッシング詐欺などの違法な手口が横行しているからです。
フィッシング詐欺とは
フィッシング詐欺とは、インターネットのユーザから、ユーザ名、パスワード、クレジットカード情報などの経済的価値がある情報を奪うために行われる詐欺行為のこと。
無差別送信のメールや、偽のWEBサイトなどを通じて行われる。
そして、ネットショッピングであれば、名義人やカード番号、有効期限といった情報が揃っていれば決済をすることが出来ます。
つまり、これらの情報を控えていれば、カード会員以外の第三者がネット上で買い物をすることが可能になります。
事実、ネットの普及・発達と比例する形で、近年、クレジットカードの不正利用による被害件数は増加傾向にあります。
そのため、クレジットカードは、管理や保管を徹底するなど、自分自身で対策を行うようにしましょう。
カードの再発行
もしも、クレジットカードの盗難・紛失に遭った場合は、すぐにカード発行会社に連絡をしてカード利用の停止を要請して下さい。
そして、カードの再発行手続きを行うようにして下さい。
新しいカードに切り替わると、カード番号も新規のものに変更されます。
そのため、公共料金の支払いなどにカードを利用している場合は、新しく発行されたカードの番号に登録し直すようにしましょう。
不正利用の補償
また、クレジットカードには、紛失・盗難保障が自動付帯されています。補償期間は、不正利用に気づいた日から60日前までが一般的です。
カードの利用明細は定期的にチェックし、見に覚えのない支出がないか調べる習慣を付けておく事をおすすめします。
そして、適切な方法で手続きを行い、不正利用による損害額の補償を受けるようにしましょう。
また、万が一、インターネット上でカード被害に遭ってしまった場合にも、カード発行会社に連絡をして適切に補償を受けるようにして下さい。
ただし、これはインターネット不正補償が付帯しているカードに限られます。
まとめ
普段のカード利用では、あまり重要性を感じることのないクレジットカード番号ですが、そこには様々な情報が盛り込まれています。
14~16桁の番号は、「産業分類」「発行会社」「口座番号」「検査用数字」を意味する数字です。
クレジットカード番号を完璧に把握することはなかなか難しいかもしれませんが、どの範囲が何を表しているのかだけでも理解しておけば何かと便利です。
また、クレジットカード番号は、非常に重要な情報であるため、安易に第三者に教えたり、知られることのないように注意しましょう。
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