クレジットカードとデビットカード
クレジットカードとデビットカードは、どちらもキャッシュレス決済を可能にするアイテムです。
近年では、現金を使わないキャッシュレス社会を推進すべく官民をあげて取り組んでいることもあり、広く注目を集めています。
このページでは、キャッシュレス決済の先駆者であるクレジットカードと海外でも急速に普及しているデビットカードに焦点を当てて説明しています。
クレジットカードとデビットカードの特徴や仕組みをチェックして両者の違いを理解しておきましょう。
クレジットカードとは

支払い方法には、一括払い(一回払い)、二回払い、分割払い、リボルビング払い(リボ払い)などがあります。
一括払い(一回払い)・二回払いは、金利手数料が発生することはありませんが、分割払い・リボ払いは、金利がかかるので注意しましょう。
クレジットカードには、ポイント還元や優待サービス、旅行保険などの付帯特典が付いています。
年会費は、無料なものと有料なものの2種類がありますが、最近では年会費無料カードでも優れたサービスを受けることが出来ます。
クレジットカードは、前払い式のプリペイドカードや即時払い式のデビットカードと異なり、入会時には必ず審査が行われます。
この審査時に個人信用情報(クレヒス)にネガティブな情報が記載されている場合は、たとえ預貯金があっても審査に通ることが難しくなります。
ネガティブ情報には、支払延滞や返済不能、債務整理(自己破産、任意整理など)などが挙げられます。一般的には、ブラックリストと呼ばれています。
クレジットカードの仕組み
クレジットカードを利用出来る加盟店で、カードを利用して商品を購入すると、いったんクレジットカード会社(加盟店管理会社)が加盟店へその支払いを肩代わりします。
カード会社(加盟店管理会社)は、商品代金から加盟店手数料を差し引いた金額を加盟店に一括で支払います。
後日、カード会員(カードホルダー)は、カード会社から購入した代金の請求を受けることになります。
カード会員は、請求された代金を支払期日に支払います。
通常、月末締めの25日払いのように、指定口座から自動的に引き落とされます。
このような買い手に信用を供与し、後払いを認める販売方法のことを信用販売・販売信用と言います。
ちなみに、携帯電話(スマートフォン)の分割払いは、割賦販売に該当するため、販売信用の一つです。
国際ブランドについて

日本で発行されているほとんどのクレジットカードには、国際ブランドが付いています。
Visa
Visa(ビザ)は、世界中でトップシェアを誇る国際ブランドです。
MasterCardと並んで2大ブランドとしての地位を確立しています。
国際ブランドの選択に迷った時は、Visaを選んでおけば間違いないでしょう。
MasterCard
MasterCard(マスターカード)は、国際的にはVISAと並ぶ2大ブランドとして認識されています。
かつては、「Euro Pay」との提携、合併があったという経緯もあり、ヨーロッパ圏に強いブランドというイメージもありました。
しかし、現在ではVISAが使える店舗ではMasterCardも使えるケースが多いことから、利便性の面ではVISAと大きい違いはないようです。
JCB
JCB(ジェーシービー)は、日本発、唯一の国際ブランドです。日本のクレジットカード業務を開拓、牽引し続けています。
日本国内(国内ではJCBしか使えない店舗もある)はもとより、アジア各国を中心に加盟店を拡大しており、使える場所は増加傾向にあります。
また、米国ではAmerican ExpressやDISCOVERとの提携を行うなど、利便性向上に向けて力を入れています。
American Express
American Express(アメリカン・エキスプレス)は、高いステータス性と多用なサービスを提供する国際ブランドとして知られています。
初めてカードにグレード(ゴールドカードやプラチナカードなど)を設けたブランドとしても有名です。
特に、数あるクレットカードの中でも最高峰とされる「ブラックカード(正式名称:アメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カード)」を発行していることもあり、広く特別なブランドとして認識されています。
Diners Club
Diners Club(ダイナースクラブ)は、世界で初めて汎用型のクレジットカードを発行したブランドであるとされています。
入会時には高い属性が求められるため、富裕層向けの高ステータスカードというイメージが強いようです。
「ダイナースクラブカード」は、一般カードではなく、ゴールドカードもしくはそれ以上のグレードに相当します。
また、このほかにも北米を中心に普及している「DISCOVER」や中国発の国際ブランド「中国銀聯」(国際表記はChina UnionPay)があります。
デビットカードとは

debitとは、英語で「借方」を意味する言葉です。
デビットカードは、後払い(ポストペイ)方式のクレジットカードとは違い、カードで決済すると口座からお金が即引き落としされます。
デビットカードを使えば、ATMで現金を引き出す手間を省くことが出来るので、多額の現金を持ち歩く必要はありません。
また、クレジットカードと違って審査不要のケースが多いため、申し込みをすれば誰でも持つことが出来ます。
カードの利用に際して、年会費や手数料、金利などは発生しません。
決済時には、暗証番号(4桁の数字)の入力を求められることがあります。
キャッシュカード一体型デビットカードの場合、デビットカードとキャッシュカードの暗証番号が同じものと異なるものがある(発行会社によって異なる)ため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
暗証番号を忘れた場合、その場でカードを利用することは出来ないので、忘れず覚えておくことが大事です。※カードの再発行が必要になる場合もあります。
デビットカードの種類
デビットカードは、「国際ブランド付きデビットカード」と「ジェイデビットカード」の2種類に大別されます。
国際ブランド付きデビットカード
国際ブランド付きデビットカードとは、「Visa」や「mastercard」、「JCB」などの国際ブランドと提携しているものを言います。
カードの入手には申込が必要ですが、審査不要なものが多いため、クレジットカードを作れない方でも持つことが出来ます。
カードと同じ国際ブランドのマークが付いた店舗で利用することが出来ます。



VISAやmastercardなどの国際ブランドは、世界規模の国際的なネットワークを構築しています。
たとえば、Visaブランドのカードは全世界約4,400万ヵ所で使用することができます。
国際ブランド付きデビットカードの強みは、全世界の加盟店で利用することが出来るという高い利便性が挙げられます。
また、海外/国内旅行保険や買い物保険(ショッピングガード)、不正利用補償などが付いているものもあります。
この辺りについては、クレジットカードと同様のメリットがあると言えます。
近年では、国際ブランドのデビット機能付きキャッシュカードを提供する銀行が増えています。
銀行によっては、キャッシュバックなどの特典があるものもあります。
代表的な国際ブランド付きデビットカード
代表的な国際ブランド付きデビットカードを下表にまとめています。
カード名 | 銀行名 | 国際ブランド | 年会費 |
---|---|---|---|
楽天銀行デビットカード(VISA)![]() | 楽天銀行 | VISA | 無料/2,000円(税抜)/5,000円(税抜) |
楽天銀行デビットカード(JCB)![]() | JCB | 無料 | |
SMBCデビット![]() | 三井住友銀行 | VISA | 無料 |
三菱UFJデビット(VISA)![]() | 三菱UFJ銀行 | VISA | 1,000円(税抜) |
三菱UFJ-JCBデビット![]() | JCB | ||
みずほJCBデビット![]() | みずほ銀行 | JCB | 1,000円(税抜) |
JNB Visaデビット![]() | ジャパンネット銀行 | VISA | 無料 |
Visaデビット付キャッシュカード![]() | GMOあおぞらネット銀行 | VISA | 無料 |
mijica(ミジカ) ゆうちょVisa デビットカード(プリペイド機能付き) ![]() | ゆうちょ銀行 | VISA | 無料 |
Sony Bank WALLET![]() | ソニー銀行 | Visa | 無料 |
イオン銀行CASH+DEBIT![]() | イオン銀行 | JCB | 無料 |
セブン銀行デビット付きキャッシュカード![]() | セブン銀行 | JCB | 無料 |
Visaデビット付キャッシュカード![]() | 住信SBIネット銀行 | VISA | 無料 |
ミライノ デビット![]() | Mastercard | 契約による |
この他にも、様々な地方銀行が国際ブランド付きのデビットカードを発行しています。
ジェイデビットカード
ジェイデビットカード・J-Debitカードとは、銀行や信用金庫などの金融機関が発行するキャッシュカードにデビット機能が付帯したカードです。
買い物も現金の引出しもキャッシュカード一枚で済むため、別途デビットカードを持つ必要はありません。
また、金融機関によっては、取引歴を優遇サービスとしている場合や、不正使用保険を付帯しているところもあります。
ジェイデビットカードは、日本国内の加盟店約45万ヵ所で使用することが出来ます。

上記のマークを掲げたジェイデビットの加盟店でのみ使用できます。
デビットカードには、オーストラリアやニュージーランドで普及している「EFTPOS(エフトポス)」や中国銀聯が発行している「銀聯デビットカード」などがあります。
デビットカード利用時の注意点
店舗でデビットカード決済を希望しても、そのカードが使えないことがあります。
デビットカードが利用できない場合は、以下のケースに該当していることがあります。
口座の残高不足
デビットカードは、金融機関の口座と紐付けられています。
銀行口座の残高が購入代金よりも低い場合は、カードで決済することはできません。
指定口座をクレジットカードや公共料金などの引き落としに設定している場合は、残高不足になることがあります。
デビットカードを利用する場合は、あらかじめ口座残高を確認しておいた方が確実です。
暗証番号の入力ミス
デビットカードの利用時には、暗証番号の入力を求められることがあります。
その際、暗証番号を間違えた場合は、カードを利用することは出来ません。
暗証番号の入力ミスが一定回数生じた場合は、カードがロックされ利用停止になることがあります。
カード会社は、この回数を明示していませんが、一般的には3回が限度である場合が多いようです。
つまり、4回目の入力ミスで、カード決済ができなくなるということです。※カード会社によっては4回目でも大丈夫な場合がありますが、基本的にはミスは3回までと思っておいた方がよいでしょう。
暗証番号をどうしても思い出せない場合は、カード会社に連絡して再発行してもらわなければならないケースもあります。
手帳などにメモ書きしておくなど、分かりやすい方法で管理しておくことが大事です。
番号忘れは、意外としてしまいがちなので、くれぐれも注意しましょう。
利用限度額越え
デビットカードには、クレジットカードと同じく利用限度が設定されているものもあります。
通常、指定口座の残高が利用限度額というケースが多いですが、カード会社によっては初期設定されているものや自分で限度額を設定できるものもあります。
たとえば、「楽天銀行デビットカード」では、会員本人が1日あたりの利用可能な金額の上限を、1,000円単位で任意に設定することが可能です。
利用限度額を超える買い物をした場合は、カードの利用が制限されるので注意しましょう。
限度額の変更は可能ですが、手続き方法はカード会社によって異なります。
そのため、サイト上の「Q&Aぺージ」などで確認するなど、よく理解した上で行って下さい。
非加盟店での利用
デビットカードに付いている国際ブランド・ジェイデビットのマークを掲げている店以外では、デビットカードを使うことは出来ません。
たとえば、Visaデビットをジェイデビットのみの加盟店で提示しても、利用することは出来ません。
また、商品・サービスによってはデビットカードを利用できないこともあります。
その他にも、金融機関(カード発行会社)が利用を制限している場合があります。
クレジットカードとデビットカードの違い
クレジットカードとデビットカードの違いには、大きく以下のようなものがあります。
- 決済種別
- 審査の有無
- 年会費
- 支払い方法
- 利用限度額
- 申し込み年齢
- 特典
決済種別
クレジットカードは利用代金を後日支払う後払い決済(ポストペイ)ですが、デビットカードは即時決済を前提とします。
ただし、デビットカードの中には、クレジットカード決済のシステムを利用する信用取引型の取引もあります。
審査の有無
クレジットカードは、個人の信用に基づいた取引であるため、入会時には必ず審査があります。
一方、デビットカードの多くは、カードの発行に際して審査手続きが不要な場合が一般的です。
年会費
90年代以降、年会費不要のクレジットカードが多くなりましたが、そもそもは年会費が必要なものが一般的でした。
現在でも年会費がかかるクレジットカードはありますが、かからないカードと比べてサービス内容が充実しているものが多いようです。
デビットカードは、年会費不要で持てるもの多いため、経済的な負担を感じることなく持つことが出来ます。
支払い方法
クレジットカードには、一括払い(一回払い)、分割払い、リボ払い、ボーナス払いなどの多用な支払い方法があります。
一方、デビットカードの多くは、一括払いが一般的です。
クレジットカードの分割払いやリボ払いのように、金利手数料が発生しないので安心です。
利用限度額
クレジットカードの利用限度額は、審査内容に応じてカード会員ごとに設定されます。
デビットカードの場合、銀行口座の残高が実質的な限度額となります。カードによっては、利用上限が初期設定されているものもあります。
また、1日あたりの利用限度額を自分で変更・設定することが出来るものもあります。
この辺りはカード会社によって異なります。
デビットカードを申し込む際は、利用限度額の項目をサイト・HPなどでよくチェックしておきましょう。
申し込み可能年齢
クレジットカードは、原則18歳以上(高校生を除く)の安定した収入(返済能力)がある方でないと申し込むことが出来ません。
一方、デビットカードは、16歳以上(中学生を除く)であれば審査なしで作ることが可能です。
特典
クレジットカードには、ポイント還元や優待サービス、海外・国内旅行保険、買い物保険(ショッピング保険)、不正利用補償などの付帯特典が充実しています。
また、グレードの高いカードには、空港ラウンジやコンシェルジュといった高級サービスを利用出来るものもあります。
デビットカードには、利用金額に応じてキャッシュバックを受けることが出来るものがあります。
また、ほとんどのカードに不正利用補償が付帯しています。
カードによっては、旅行保険やョッピング保険が付いています。
クレジットカード | デビットカード | |
---|---|---|
決済種別 | 後払い決済 | 即時決済 |
審査の有無 | 有り | 不要のものが多い |
年会費 | 不要なものもある | 不要のものが多い |
支払い方法 | 一括払い/分割払い/リボ払いなど | 一括払い |
利用限度額 | あり カード会社の基準により異なる | なし 指定口座の預金残高が事実上の上限 |
年齢 | 18歳以上(高校生を除く) | 16歳以上 |
特典 | ポイント還元、優待サービス、各種保険など | キャッシュバック、各種保険など |
まとめ
クレジットカードは、必ず審査が行われるので、申し込んだからといって必ずしも作れるわけではありません。
しかし、デビットカードは、審査不要で作れるものも多いため、作る際のハードルはクレジットカードに比べて非常に低いと言えます。
また、デビットカードは、決済したその場で口座からお金が引き落とされます。
後払いが不安な人やクレジット決済を借金と捉えて抵抗のある人には、デビットカードの利用が適しているかもしれません。
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